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手倉森ジャパンは、2つの武器でナイジェリアを翻弄する!

リオ五輪展望【男子サッカー】

“オーバーラップ”の連続攻撃で圧倒したい

 一方の攻撃面に目を移すと、日本は興梠慎三や浅野拓磨など、裏への飛び出しを得意とするFWを取り揃えている。

 しかし、おそらく彼ら単体の飛び出しのみで、片を付けることは難しいだろう。一旦振り切ることができても、驚異的なスピードで追いつき、球際で何とかしてしまう身体能力をアフリカ勢は持っている。

 そこで2つめのキーワードとして、“オーバーラップ”に注目したい。

 ナイジェリアとは違い、日本は攻撃を単体でやり切らず、後方から泉が湧き出すようにオーバーラップの連続攻撃を仕掛けたいところ。両サイドバックは藤春廣輝や室屋成と、スピードとスタミナには申し分ない。彼らが激しくオーバーラップを繰り出せば、ナイジェリアはついて来られないだろう。

 日本にとって、アフリカ勢との対戦は相性がいい。過去のA代表だけでなく、この手倉森ジャパンも、直近のトゥーロン国際大会でギニアに2-1で勝利、親善試合でガーナに3-0、南アフリカに4-1と大勝している。

 日本がナイジェリアから勝ち点3を取り、グループリーグの突破条件である2位以内を保持すれば、コロンビア、あるいはスウェーデンが、どこかで日本に対してリスクを負って勝ち点3を狙わざるを得なくなる可能性は高い。相手が攻めて来るなら、堅守速攻をベースとする手倉森ジャパンにとっては、願ったり叶ったりだ。

 兎にも角にも、ナイジェリア戦。

 以降の話は、それが終わってからにしよう。

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清水 英斗

しみず ひでと

1979年生まれ。岐阜県出身。プレーヤー目線で試合を切り取るサッカーライター。ド イツやオランダ、スペインなどでの取材活動豊富。ライターのほか、ラジオパーソナ リティー、サッカー指導、イベントプロデュース・運営も手がける。過去には東京都 リーグ2部でプレー。現在も週に1回は必ずボールを蹴っており、海外取材の際に は、現地の人たちとサッカーを通じて触れ合うのが最大の楽しみとなっている。主著 に『サッカー「観戦力」が高まる』(東邦出版)『3時間でサッカーの目利きになる』(ベストセラーズ)など。 


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